心霊等の原理について


意識の変性状態

 
 基本的に人間が「心霊的現象」と呼ばれる類に出会う場合、そこには2つの条件というものがあります。1つは自分自身の意識に関する「変性意識」という事柄。もう一つは「エネルギー場の存在」というものです。まずは、それらについての説明から行っていきましょう。
 
 まず、一つ目の「意識の変性状態」について理解するには、人間の「意識」というものについて知らなければいけません。普段、私達は何気なく頭で考えながら生活していますが、その頭の中で使っている「意識」というものに注目している人は、意外とあまりいないものです。しかし、この「意識」にも実は様々な状態があるのです。最近は大脳生理学が発達し、またその用語も普及してきたので、皆さんもα波やθ波などの脳波の考えは幾らか聞いたことがあると思います。その考えを簡単に説明すると、普段の私たちはβ波と呼ばれる粗雑な意識の領域で、考え・行動して生活していると言われます。しかし、一旦気を落ち着けてリラックスすると、やがて脳内の意識は鎮静化してきて、α波などの精妙な脳波が発生しだし、そして眠りの状態に落ちいると、θ波などの脳波が主に出て来るとされているのです。私達は普段、意識の変化について何も考えないことが多いものですが、この脳波の考えを理解すれば、同じ人間の意識でも全然違う状態があるという事が理解できるでしょう。
 
 この様に大脳生理学では、人間の脳波を様々な状態に分け、区分して研究していっています。その科学的な分析で裏付けることが出来るように人間の「意識」というものには様々な状態があるのですが、神秘行の考えでは、この人間の意識の様々な状態の中の、「ある領域」に実は「霊」と呼ばれたりするエネルギー場を感じる「変性意識(トランス)」という状態があるとしているのです。(実はこの「変性意識」という言葉自体は通常と違う(変性)意識という意味で、とても広い意識の領域も示すのですが、この考察文での変性意識という言葉は霊を感じる意識の領域を示すと思ってください)。そして、特に深い変性意識の状態に入ると、霊との直接的な交流(交信)を行うことが出来るといわれます。この変性意識の状態は実は昔から知られていて、日本でも「神がかり」や「憑依」などという言葉が、その状態を指すものとしてよく使われてきました。
 
 この事だけを聞くと、その状態というのはとても特殊なものであり、一般的な普通の人には縁が無さそうに思われますが、しかし普通の人でも実は日常的にそれによく似た近い状態を毎日経験していたりはするのです。それは「夢を見ている状態」あるいは「ぼーっとしている」状態、少し特殊なものだと「金縛り」の状態に近いものとされ、この状態に入ると普通の人でも霊を感じやすくなってしまうのです。ですから、よく話に聞く心霊などの体験談では、人の寝入りっぱなや、朝の起き掛けに死んだ人が枕元に立つという事があったり、金縛りに会っている人の目の前に幽霊が現れたりと言った事が多いのです。
 
 少し話は変わりますが、世の中には、よく生まれつき霊を見やすいという人達もいますが、その様な人達は実は、生まれつきこの様な変性意識の状態に入りやすい人なのだと考えられています。ただ、この事はその本人自身も気づいていないことが多いものです。なぜなら、意識の状態というのは、普通、他から目にみえるものではなく、言葉として現したりもしにくいので、人との違いを比べることが出来ないために、その違いが自覚されにくいのです。
 
 ここまで変性意識について説明してきましたが、読者の方は、これらを読んで変性意識というものは怖いもの、危ないものだと思ってしまったかもしれません。しかし、この変性意識の状態では霊を感じるという現象の他にも、普段は意識の奥深くに隠されている潜在意識の様々な情報が意識上に認識しやすくなるという利点もあります。神秘行では意識を自覚し制御する修行を行いますが、この潜在意識の情報が認識できるようになるというのは、意識の自覚の修行には大きな利点となるのです。その為、この意識の状態は様々な神秘行で重要視されており、この特殊な意識の状態に自らの意思で入れるようになる事を目的とした、様々な意識制御の技法を修行します。
 
 しかし、一般の人がしっかりとした基礎的な修行もせずに、意識制御の方法だけを行うと、よく意識のバランスを壊して病気になりやすいので、あまり一般向けの情報ではその辺りの事は詳しくは書かれないことが普通です。また、コックリさんをやったりとか、あるいは失恋などの心的ショック、大病にかかったりした後に、突然、霊に憑りつかれやすくなるという人がいます。これらは、そういった精神的なショックがきっかけになって、その人の意識状態が不安定になり、自分でも自覚しないうちに意識が変性意識の状態に入ってしまうようになってしまっているのです。

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