神秘行を行う際に注意する点


 ここでは初心者の学び手が神秘行という訓練法を行なって行く際に、日常において出来るだけ気をつけて欲しい事を書いておきます。ここではまだ最初という事で簡単に説明するに留めますが、実際は一つ一つの事柄にもいろいろな深い意味があります。詳しくは神秘行を実際に行なって行くうちに、少しずつ理解してくるでしょう。
 

 
1 神秘行を行なっている事を現実の生活であまり吹聴しない。
 
  この世界はいろいろな考えを持っている人がいます。学び手の普段の日常からは信じられない事かもしれませんが、その人達の中には宗教的な事や霊的な世界といった、あまり一般にはよく知られてない事に過度の恐怖や期待を抱く方達もいるのです。また、中には狂信的な宗教団体や精神的に安定を欠いた人達もいます。現実世界でそういった方達に学び手が神秘行をやっている事が知られると、無用なトラブルを招く元となりかねません。そういった方達の誤解を解くんだ、という考え方もあるかも知れませんが、初心者の学び手はそれよりも自分自身の能力を高めて行く事に重点をおいてください。
 

 
2 現実生活を大切にする。
 
  よく精神世界に憧れる人は、霊や精神世界こそが高級なものであり、肉体や現実世界は卑しいものと考える事が多いものです。しかし、神秘行においてはこの物質世界も「神の現われ」の一形態として捉え、神聖なものとして見做しているのです。また、この現実世界は実は神秘行の最高の修行場とも言われています。実際、神秘的自己探求を学んでいけば理解してくると思いますが、この世界における全てのあらゆるものは、自分を高めてくれるきっかけともなり得るのです。よく神秘行では「師」が必要だと言われます。そして、「準備が出来た時、師が現われる」と言われますが、その言葉の意味は、学び手に真の準備が出来たとき、学び手の周りにある全てのものが、その学び手に何かを教えてくれる「師」となるのだと私は思っています。また、実質、現実生活を満足にこなせないものが精神世界で悟りを開いたといっても、結局は現実世界から逃げ出しただけの、その人には何も残りません。それゆえ、学び手はこういった神秘行を行う際は現実生活を避けるのでは無く、この現実世界も大事に考えて修行を行なうようにして下さい。
 

 
3 他人の思想に無理に干渉しない
 
  人はそれぞれがそれぞれの考えを持っています。しかし、こういった世界の秘密を解き明かしていくという学問を学んでいると、自分の考えの方が正しいと思うことが往々にして起こると思います。ただ、そういった事は幾ら自分のほうが正しいと思えても、「他人にとって」はそれは正しく無いという事は幾らでもあり得るという事を理解して下さい。もちろん、どう考えても、相手自身にとっても自分が間違っているということが解っているような場合もあります。しかし、当人にとっては感情的にその過ちを認めたくない事もあるのです。また、その人が自分の生活や既得権益を守るために過ちを認めたくない場合もあったりします。こういった事柄は、人によっていろいろな理由があるものです。何の考えも無しに相手に無理に過ちを認めさせようとすると、即、喧嘩や争いの元となるでしょう。特に宗教に関する事など、思想的なものは他者とのトラブルを起こす大きな原因です。それゆえ、神秘行を学ぶものは出来ればそういった事には関わらない、あるいはよっぽど言葉を慎重に選びながら対話をするように心がけてください。もちろん、相手が法律に触れる様な事をした場合は別ですので、その辺は誤解しないで下さい。
 

 
4 人との関わりを大切に
 
 「他人は自分を写す鏡」と言われます。人は一人では自分自身を知ることもなかなか出来ないのです。他人と関わって行く時の自分自身の内なる心の動きを大切に感じて下さい。そして、人の良いと思えるところをよく学び、悪いと思うところはまず自分自身に、そのようなところが無いか、よく自問するように心がけてください。
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