ここまでの纏め1


 ここまで、ユング心理学に神秘的自己探求を絡めて、いろいろと書いてきましたが、このページでは簡単に、そのおさらいをしてみましょう。
 
 まず、人間は生まれた時点では、ほぼ、まっさらな意識を持って生まれてきます。ここで、その個人に存在するものとすれば、呼吸を行い自分が成長していくために必要な栄養を摂取し排泄を行うという、生物として種としての本能です。この段階では、人間は全ての性格の種を持つ、あらゆる可能性を秘めた存在という事も出来るでしょう。そして、その奥には「集合的無意識」と呼ばれる領域が既に存在しているとされます。
 
 やがて、幼児は家族やその環境の中で暮らしながら様々な経験を経ます。そして、それらは記憶に蓄えられていきます。「個人的無意識」の誕生です。そして、他のものとは違う存在である自分というものを認識するようになってきます。ここで「自我」および「顕在意識」が誕生するのです。幼児はその「自我」を以て、次第に親や周りの環境から様々な物事を教えられて、この世界の様々な物事を認識し理解する機能を育てていきます。よく、幼児が親と一緒に行動して外の環境を知ったり、絵本などを通して、様々なものごとを知ったりする段階がこれです。この頃から、その属する家庭や環境などの集団によって「家族的無意識」や「地域的無意識」「国家的無意識」が、その人の個人的無意識の奥に根付いていきます。
 
 子供は、その素質と様々な経験によって、自らの自我にある一定の傾向というものを持つようになります。個人としての意識に「外向型」「内向型」や四つのタイプが生まれるのです。また、様々な経験はその際に強い感情を揺り動かす事があります。この際に、人は心の中に「コンプレックス」というものが作られます。このコンプレックスによって、その人独自の人格が作られていくのです。
 
 そして、他人との様々な交流を経ていくうちに、人は他人に対して自らがどのような役割の位置にいるかを知り、その役割に応じて相手と接していくようになります。「ペルソナ」の誕生です。また、人の自我が持っていた傾向は意識の中で顕著なものとなり、その性格に合わない、自分の内なる意識は抑圧され、意識の内に潜んでいくようになります。「シャドウ」がここで誕生します。こういった自我の傾向が生まれてくると、人は自分を基準に、他人がどういった人かということを判断するようになります。「投影」という行為のはじまりです。
 
 人の意識のうちにはこういった外的な様々な機能があり、それらを通して、人は外の世界と関わりを持ち生活を行っていくのです。
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