コンプレックスと霊的存在


 ここでは、神秘行的に捉えたコンプレックスについて、少し説明して行ってみましょう。まず、少し例えは悪くなりますが、生物につく寄生虫を考えてみてください。寄生虫は、例えば腸に棲むものならば、腸まで降りてきた栄養物を摂取し生き続けるものです。現代の市街地に住む一般的な日本人にとっては、あまり寄生虫というものは身近なものではなくなり実感は沸かないかもしれません。しかし、本来、生物は意識しないうちに、その身のうちに幾つもの寄生虫を持つことがあります。実は神秘行界では、意識内で作られた様々なコンプレックスもこういった寄生虫と似たようなものだと考えているのです。
 
 コンプレックスは何らかの強い情動により、意識内に生まれますが、以後、その発生要因と似たような情動が当人の意識に発生した場合、コンプレックスはそれを寄生虫みたいな感じで、自らの栄養として吸いあげて意識の中で存在し成長してしまうのです。やがて成長し肥大化してしまったコンプレックスは自らの存在をより強くするために、その当人の意識にとどまらず、意識の不思議な作用で、周囲の人にまで働きかける程の影響力を持つことになる事があるとされます。
 
 例えば、世の中には、何らかの不幸な出来事が起こって、とても落ち込んでしまった人が、さらに、その身の回りに次々と他の不幸な出来事まで重なって起ってしまうという話も聞いたりする事があるでしょう。神秘的自己探求では、こういった現象の原因の一つとして、最初の不幸な出来事を受けた時に、当人の心に負のとても強いコンプレックスが生まれ、それが本人の資質(悩みやすい性質とか)とあいまって、いつまでも意識内に残りつづける事があると考えます。そういったコンプレックスはやがて、意識内で寄生虫みたいな形で棲み付き、それが自分自身を成長させるために、その人の身の回りに似たような不幸なことが起きるように働きかけているという考えをするのです。そして、そのコンプレックスは続いて起こった不幸な出来事により当人が「ああ嫌だ嫌だ」などと思った情動のエネルギーを吸い上げて成長するのです。
 
 こういった、意識内にひとつの生命体として出来上がってしまったコンプレックスは、霊的な視覚で見ると一種の寄生虫的な霊的存在として認識されます。神秘的自己探求を学ぶものは、意識のうちに潜むこういったコンプレックスの不思議な働きを知っておくようにしてください。そして神秘行の世界で、話に聞かれる「人工精霊」や「式神」、「使い魔」といった存在は、こういった仕組みを応用して作られる事がよくあるのです。
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